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2014-02-01

福は内~鬼は・・・? 日本の昔話

あっという間に2月ですね



早いわぁ~


スーパーなどでよく見かける節分の鬼の面(と、豆)。



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こんな節分の昔話を見つけました。


なんだかちょっと、ホロリとするお話ですよ~ん







「節分の鬼」


むかしむかし、ある山里に、妻と子供に先立たれた一人暮らしの貧乏なお爺さんがいました。



この山里では今年も豊作で、秋祭りでにぎわっていましたが、誰もお爺さんを誘ってくれる者はおりませんでした。
お爺さんは祭りの踊りの輪にも入らず、遠くから見ているだけでした。



猫すわり



妻は病気で早くになくなって、一人息子も二年前に病気で死んでいました。

お爺さんは毎日、妻と息子の小さなお墓にお参りする事だけが楽しみでした。


「かかや、息子や、早くお迎えに来てけろや。極楽(ごくらく→天国)さ、連れてってけろや」
 そう言って、いつまでもいつまでも、お墓の前で手を合わせているのでした。









やがて冬になり、村はすっぽりと深い雪に埋もれ、お爺さんもじっと家の中に閉じこもっていました。

しかし、節分の日・・・。


外からは子供たちの賑やかな声が聞こえて来ます。





「鬼は外~!福は内~!」





村のどの家からも楽しそうな家族の声が聞こえてきました。

お爺さんはしみじみ一人ぼっちが身に染みて、涙があふれて止まりませんでした。


白い森





お爺さんは寂しさに耐えられず、雪に埋まりながらも二人の墓参りに出かけました。



足跡




墓参りから帰ったお爺さんは、息子が生きていた頃に作ってくれた鬼のお面を取り出して、昔の楽しかった時を思い出していました。




「妻も子供ももういない、ましてや福の神からはとっくに見放されている…」





そう思ったお爺さんは、鬼の面をかぶり、わざとあべこべに叫びながら豆をまき始めました。


「鬼は内ー!福は外ー!」


もう、まく豆がなくなって、ヘタヘタと座り込んでしまいました。







その時、お爺さんの家に誰かがやって来ました。



「おばんでーす。おばんです」


「誰だ? おらの家に、何か用だか?」


お爺さんは、戸を開けてビックリ。


「わあーーっ!」


それは、節分の豆に追われた鬼たちでした。



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「いやー、どこさ行っても、『鬼は~外、鬼は~外』って、嫌われてばかりでのう。それなのに、お前の家では、『鬼は~内』って、呼んでくれたでな」
 

おじいさんは震えながら、やっとの事で言いました。


「す、すると、おめえさんたちは節分の鬼?」


「んだ、んだ。こんなうれしい事はねえ。まんずあたらしてけろ」

と、ズカズカと家に入り込んで来ました。



「ま、待ってろや。今、たきぎを持って来るだに」







「おばんでーす。おばんです」


「『鬼は~内』ってよばった家は、ここだかの?」

「おーっ、ここだ、ここだ」


「さむさむ。まずは、あたらしてもらうべえ」



ぞろぞろ、ぞろぞろ、それからも大勢の鬼たちが入って来ました。

何と節分の豆に追われた鬼がみんな、おじいさんの家に集まって来たのです。



この家に客人とは何年ぶりでしょう、たとえ鬼でもお爺さんは嬉しくなりました。








充分に温まった鬼たちは、おじいさんに言いました。



「何かお礼をしたいが、欲しい物はないか?」



「いやいや、何もいらねえだ。あんたらに喜んでもらえただけで、おら、うれしいだあ」


「それじゃあ、おらたちの気がすまねえ。どうか、望みをいうてくれ」


「そうかい?じゃあ、温かい甘酒でもあれば、みんなで飲めるがのう」



「おお、引き受けたぞ」

「待ってろや」



鬼たちは、あっという間に出て行ってしまいましたが、


しばらくすると、甘酒やら、ごちそうやら、そのうえお金まで山ほどかかえて帰って来ました。
 



たちまち、大宴会の始まりです。



「ほれ、じいさん。いっペえ飲んでくれや」


こんな楽しい夜は、妻や息子をなくして以来、初めてです。




鬼たちとお爺さんは、一緒になって大声で歌いました。


♪やんれ、ほんれ、今夜はほんに節分か。

♪はずれ者にも、福がある。

♪やんれ、やんれさ。

♪はずれ者にも、春が来る。






大宴会は盛り上がって、歌えや踊れやの大騒ぎ。


お爺さんも鬼の面をつけて、踊り出しました。



♪やんれ、やれ、今夜は節分。

♪鬼は~内。

♪こいつは春から、鬼は内~っ。



鬼たちは、お爺さんのおかげで、楽しい節分を過ごす事が出来ました。




朝になると、鬼たちは「また来年も来るから」と上機嫌で帰って行きました。





スズメの木




やがて春になった頃、お爺さんは鬼の置いて行ったお金で妻と子の墓を立派に作り直しました。


そして、手を合わせながら言いました。


「おら、もう少し長生きする事にしただ。来年の節分にも、鬼たちを呼ばねばならねえでなあ。鬼たちに、そう約束しただでなあ」


おじいさんはそう言うと、晴れ晴れした顔で家に帰って行きました。




菜の花畑

南房総の河津桜

河津さくら






※ この「節分の鬼」は新作狂言の「鬼は内」として、和泉流狂言野村万蔵家にて年四回講演されています。




妻にも子供にも先立たれ、一人孤独だったお爺さん。

久しぶりに鬼をお客に迎えたお爺さんは、生きる意欲を取り戻しました。

若くて一人でどこにでも行けるうちはいいけど、年老いて知り合いもなく、出かけて行く場所もなく、
語らう相手もいないとどれだけ寂しいのかな・・・


人から避けられる鬼も、まさか受け入れてくれる人がいたとは驚きだったでしょう。





まだまだ寒さは続きますが、ちょっぴり暖かい気持ちになれましたでしょうか?


春はもう、すぐそこですね~


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genre : ライフ

comment

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No title

節分の話を聞いたのは初めてですけど、これは優しい鬼が出てくるんですね。
鬼が人食い人種じゃなくてよかった~

お話の間に何となくマッチした写真がありますが、じろりとこっちを振り返る猫を遠くから見ているのは、おじいさんかラーダさんか(笑)

でもって、雪に足跡付けたの誰だ?
もしかして、あの足跡は旦那さんかラーダさんの?

ほほほ、写真も楽しいわ~

それでは行ってまいります。
誘拐されないように気を付けます!

くろろさま

>これは優しい鬼が出てくるんですね。
鬼が人食い人種じゃなくてよかった~


そうそう、いくら寂しかったと言っても極悪の鬼じゃあ良かった良かった話になりませんもんね~v-22


>じろりとこっちを振り返る猫を遠くから見ているのは、おじいさんかラーダさんか(笑)


ははは・・・
何年か前に南房総に行った時に写した写真です。

こっちが「にゃ~」とか「こっちおいで~」とか口笛を鳴らしても「しら~」って顔して見てましたe-350

なんや、あいつら・・・・って顔ですねぇ



>でもって、雪に足跡付けたの誰だ?
もしかして、あの足跡は旦那さんかラーダさんの?


あれは安土城跡で撮った写真です。
足跡は誰のだろう・・・

やっぱり・・・お爺さん?



>ほほほ、写真も楽しいわ~


良かった、良かった
絵の代わりに写真ということで気分を味わって~e-420


>それでは行ってまいります。
誘拐されないように気を付けます!

行ってらっしゃ~い!
無事に旅を楽しんで帰って来れるよう、祈ってます (^.^)/~~~v-353

No title

おばんです
のっけから、極楽(ごくらく→天国)さ に吹いてしまっただよ~ まんずまんず
淋しいお爺さんと、行き所のなくなった鬼の友情、いい話だねえ
ほろり来ただよ・・・
写真がまた、ぴったりで、ラーダさんのセンスの良さが光ってただよ

>この「節分の鬼」は新作狂言の「鬼は内」として、和泉流狂言野村万蔵家にて年四回講演されています。

見てみたいなぁ。狂言っていっても堅苦しいのばかりじゃないんだね

>年老いて知り合いもなく、出かけて行く場所もなく、
語らう相手もいないとどれだけ寂しいのかな・・・

それはこのオババσ(^-^〃)のことだぁ!!!
ラーダさんみてえな、めんこいオナゴがこうして呼んでくれっから、うーんと慰められてるよ~ヾ(^▽^)ノ

No title

  お早うございます。
このお話し 初めてです。
優しい鬼さん。
お話のあいだの写真も 楽しみでした。
又この様なお話し 聞かせてくださいね。

No title

鬼って悪者では無かったの?
って思いました。

あの風貌だけで世間から嫌われているのだとしたら、鬼って可哀そう。。。

外見で判断せずに、逃げてきた鬼をもてなしたおじいさんには福がやってきて当然でしょう。

嫌われ者にも温かい手を差し伸べたら、その相手の心も温かくなるだろうし、自分も幸せになれるって事ですね。

marikoさま

>淋しいお爺さんと、行き所のなくなった鬼の友情、いい話だねえ
ほろり来ただよ・・・


んだんだ
人から嫌われる鬼だって一人で寂しかったお爺さんにとっては大事な客・・・

互いに楽しい時間を過ごせ、また来年の節分まで頑張ろうって思えて良かっただ~v-22



>写真がまた、ぴったりで、ラーダさんのセンスの良さが光ってただよ


あンりがとよぉ~
昔撮った写真をつなげただけだよぉ~
んでも、褒めてもらえておらも嬉しいだよ~v-414



>見てみたいなぁ。狂言っていっても堅苦しいのばかりじゃないんだね


私も見てみたいな~
伝統芸能って堅苦しいというか、見ても理解できないんじゃあ・・・って思っていたけど、一度くらいは見てみるのもいいかも

こういうとっつきやすい話なら楽しいのかな




>それはこのオババσ(^-^〃)のことだぁ!!!



あンらまぁ、姉さん
そりゃ、誰にだって起こることだと思いますわよ~

特にこれから先なんて人付き合いをしないって人も増えて来るだろうし・・・

私は羞恥心が減って(?)もう少し年とったらママさんコーラスみたいな合唱グループにでも入ろうかと思ってますよ~

歌を歌えば体にも良いだろうし、年取ってからの知り合いなんて習い事でもしなきゃできないだろうしな~

「あら~、このところラーダさん合唱に来ないわねぇ・・・ ちょっと連絡してみようかしら」みたいな・・・

遠くの身内よりも近くの他人・・・ふッ・・・
いやいや、そうでもしないといけないかなぁ~なんてv-389



>ラーダさんみてえな、めんこいオナゴがこうして呼んでくれっから、うーんと慰められてるよ~ヾ(^▽^)ノ


やだ~ん
めんこいだなんて・・・褒めても茶ぐらいしか出ないだよ~ぉ

そんでも良ければいつでも遊びに来て下さいまっし~v-365

kokocraftさま

>このお話し 初めてです。
優しい鬼さん。


ほんと、いい鬼で良かったですね~
鬼だって「あっち行け~」なんて豆を投げられたら傷つくんでしょうね・・・v-406


でも、寂しい者どうしが集まったけど、楽しい宴会になって良かった (#^^#)



>お話のあいだの写真も 楽しみでした。


ありがとうございます。

節分用の写真がなかったので、今まで写した写真を探して載せてみました。

パソコン絵本、みたいな~v-212



>又この様なお話し 聞かせてくださいね


そうですね~

大人になってからの昔話はいろいろと考えることがありますね

大人になったから物語の意味がわかるというか、心に染みるというか・・・

またいいお話があれば載せますねv-218

シュムックさま

>鬼って悪者では無かったの?
って思いました。


鬼って言っても悪い奴もいれば、実は心優しい・・・みたいなのもいるんでしょうかね~


なまはげ👹みたいに、悪い子供を叱り教育するためにできた(?)存在もあるかもしれませんね~v-12



>外見で判断せずに、逃げてきた鬼をもてなしたおじいさんには福がやってきて当然でしょう。


お爺さんがもし、一人孤独でなかったら受け入れなかったかもしれないですねぇ。

やっぱり、人と同じように避けていたかも。


恐れもあっただろうけど、それでも客として来てくれた鬼を受け入れるほど孤独だったのか・・・v-406
そう考えると切ないなぁ



人付き合いに食わず嫌いはどうかと思いますが、意外と付き合ってみたらいい人だった・・・ってパターンもありますからね。その見極めも大事と言えば大事だけど。


お爺さんにも鬼にも一足早い心の春が来たのでしょうねv-252


No title

ラーダさん こんにちは。

コメントしたくても、出来ずに今日になってしまいました<(_ _)>

良いお話しでした~
ホント、ピッタリのお写真がありましたこと(^^)
我が家も最近は、「鬼は外、福は内と」豆を撒くことはありません。

神棚にお供えしておいた福豆をさげて、日ごろの感謝と無病息災を
お祈りして、何事も節分を過ぎてからといいますから、新たな気持ちで
今年が送れますように、福も鬼もみんな仲良く致しましょうと
歳の数だけお豆を頂きます(最近数が多い・・・(^^ゞ)
静かな節分です・・・。

昨日は雪で、今日は大変寒いですね。
冷えは大丈夫ですか~。

masumiさま

>コメントしたくても、出来ずに今日になってしまいました<(_ _)>


masumiさん、こんにちは

いえいえ、いいんですよ~
いつでも時間ができた時に来て頂けたら良いのですよ~

私もうかがえない時もありますし、お気になさらずにv-22

でも、コメント、嬉しいなッ



>良いお話しでした~
ホント、ピッタリのお写真がありましたこと(^^)


昔話、子供の頃から親しんでいましたが、たまに読むといろんな発見がありますね。

大人になるとそれぞれの解釈がありますものねv-354


写真は以前撮ったものですが、なるべく現代的なものが映っていないものを選びました。

しかし、どんな田舎でも「現代」の便利さが行き渡っていますねぇ



>我が家も最近は、「鬼は外、福は内と」豆を撒くことはありません。


うちは撒くことすらしてないですねぇ・・・。ダンナも私も互いに子供の頃は行事として家族で参加していたのに・・・。

今の時代、どれくらいの家庭で撒いているのでしょうかね


>神棚にお供えしておいた福豆をさげて、日ごろの感謝と無病息災を お祈りして、何事も節分を過ぎてからといいますから、新たな気持ちで 今年が送れますように、福も鬼もみんな仲良く致しましょうと 歳の数だけお豆を頂きます


なんだか、うちの両親と似ています。
実家では果物やお菓子などを買ってくると神棚にお供えしていますよ。
節分の豆も・・・v-22

年の数だけ・・・。

子供の頃は私と弟で折り紙で豆を入れる箱を折って数えた豆をそれぞれに入れていましたね。

そして、同じく今までの感謝の言葉とこれからも宜しく・・・というような言葉をのべ、みんなで食べていました。



>昨日は雪で、今日は大変寒いですね。
冷えは大丈夫ですか~。


雪が降る日も寒いけど、翌日のカラッと晴れた日も寒いですね~

いや~、凍えながら買い物に行きましたよ~

最近は薄味の味付けなので、生姜やにんにくや香味野菜を使うことが増えました。

それに伴い体も温まればいいのですが・・・。
プロフィール

Radha Doona

Author:Radha Doona
2001年から旦那の仕事でイラン(テヘラン)へ赴任。その後、タイ(バンコク)へ異動になり、4年3ヵ月を過ごす。
2006年・8月、帰国。
趣味は音楽鑑賞(ワールドミュージック・クラシック・J-popなど)・読書・旅行・アクセサリー制作(アジアン・エスニック系)

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